「現在当店には」
スタッフが7名いる日があります。今年の1月いっぱいで上がった千田くんが、教育係(?)として入っているからなのですが、シェフを除き6名がカウンターの中にいると狭い、です。多い、です。
衣更えしました。
左端はオープン時に作った、スタッフ全員のユニフォームベスト(モデルは文野ちゃん)。昨年から私のみ新たに2種製作。真ん中は秋冬用のツィードベスト。そして右端が春・夏用。
「あしながおじさん」の豊坂貞一氏、同山内氏のご指導のもとにリニューアル致しました。
4月13日(木)のこと。スコッチのシングルモルト、トマーチンのパーティーがホテルオークラにて開催されました。トマーチンはあのネス湖の河口付近にあるインバネスという都市から南に24キロほどにある蒸留所で、「トマーチン」とはゲール語で「ネズの木の茂る丘」の意。
パーティ終了後、
来店されたMr. Douglas Campbell氏と共に。
当店の人気カクテル、特製モスコミュールは、敢えてジンジャービアーではなく、カナダドライジンジャーエールを使用。
特製ジンジャーウォッカを使用した場合、同ジンジャーエールの方がバランスがとれる由ですが、写真はそのカナダドライの瓶デザイン変更の変遷。左から右へと移っているようです。現在この3種が混在中。
特製ジンジャーウォッカを使用した場合、同ジンジャーエールの方がバランスがとれる由ですが、写真はそのカナダドライの瓶デザイン変更の変遷。左から右へと移っているようです。現在この3種が混在中。
4月のある日曜日、復活第2回目の、トルマルキオンがマンジャーモにて開催されました。その際、美食の会(仮称)と称した集りの正式名称をトルマルキオン(ギリシャ語)と致しました。この名称を提案してくれたのはO氏で、その意味は・・・秘密です。秘密にしなければならない理由は何もないのですが、秘密にした方が妄想が膨らむように思えるのでそう致します。
2月に開かれた初めてのトルマルキオンは「インド料理」。でした。その後、初顔合わせであったお客様方も、Bar Higuchiで何度もご一緒になったりするうちに、より仲良しとなり、第2回目の「イタリアン」を迎えました。
そんな今回はスタートする時刻を6:00PMとし、ゆっくりと時間をかけて語らい、飲み、そしてスペシャルオーダーのイタリアンを楽しもうといった、一軒入魂(?)のコンセプトを持って臨みました。しかし、食べ始める頃にはすっかりそんなことは忘れ、食べ終わって恒例の記念撮映をした後に思いだしました。
「そういえば、いま何時?」
なんと10:30PM!おお!4時間も経っているとは。その場にいる全員が驚いたということは、皆さんすべてしっかりと楽しんでいらっしゃった証明。
そうです、私が料理の写真を撮るのを何度も忘れてしまったのも、当然の事といえるでしょう。どなたも私を責めてはいけません。良い会です、ハイ。
かろうじて撮っていた料理4皿。特製のオリーブはとてもブリニーであらゆるお酒に好相性。右はエスカルゴかと思いきやムール貝。モンジャーモさんの定番となっている人気メニュー。
冒頭にシェフから説明もあったのですが、エジプトや中国などでは最高の食材とされるハト。特別にトスカーナ地方(伊)から取り寄せて戴いたもの。
右は、リクエストに応えて焼いて戴いたチョコレートケーキ。
個人的には写真にない(すみません)、プリモピアットとして提供された塩鱈とポレンタの組み合わせと、パスタ2種のうち一つ、中に半熟タマゴの入ったタリアテッレがとても気に入りました。いつか必ずお礼参りに!
お店の前で山本謙ニシェフを囲んでの一枚。今回避けられない用事で参加できなかった方々を含めると、次回はかなりの大人数になるかもしれませんね。
バー倉吉の倉吉浩ニ氏を囲んで、店内で。一軒入魂の筈が、人数が減りつつも2件目。
左は新世界というBarの角ハイ。この時点で4名。右は私の先輩であるA Bao A Queの後藤氏のお店の一風景。3名、午前3時・・・。
植物(原料)編
左側のとくとく茶と真ん中のアールグレイティーはどちらも数年来(特に左は10年以上?)愛飲しているお茶。しかしながらそれでは「ここヒトツキの」にはなりません。そう、両方をあわせて淹れるのです!?
手順は簡単、とくとく茶は本来煎じて飲むタイプのお茶である故、30分から1時間ほどかけて真っ黒に近くなるまで煮詰め(煎じ)ます。そして、とくとく茶をカップに注ぐ際に、アールグレイパックを投入。ご存知の通りアールグレイは非常にそのフレーバーとテイストの個性が強いティーなのですが、濃く出したとくとく茶に包まれて尚一層特徴が際立ちます。しっかりとした厚みの中に現れる輪郭のシャープさに驚きを禁じ得ません。
お茶でお茶を淹れるこの所業、職業柄でしょうか。
そして、右掲はおもと。万年青と書いておもとなのですが、ちょっと意外ながらユリ科の多年草。昔から家々の玄関先にはおもとが植えられ(置かれ)、引越しのお祝いの定番であったようですが最近はどうなのでしょう。名の示す通り常に青々として強く、飽きのこない植物ですよね。癒されております。
手順は簡単、とくとく茶は本来煎じて飲むタイプのお茶である故、30分から1時間ほどかけて真っ黒に近くなるまで煮詰め(煎じ)ます。そして、とくとく茶をカップに注ぐ際に、アールグレイパックを投入。ご存知の通りアールグレイは非常にそのフレーバーとテイストの個性が強いティーなのですが、濃く出したとくとく茶に包まれて尚一層特徴が際立ちます。しっかりとした厚みの中に現れる輪郭のシャープさに驚きを禁じ得ません。
お茶でお茶を淹れるこの所業、職業柄でしょうか。
そして、右掲はおもと。万年青と書いておもとなのですが、ちょっと意外ながらユリ科の多年草。昔から家々の玄関先にはおもとが植えられ(置かれ)、引越しのお祝いの定番であったようですが最近はどうなのでしょう。名の示す通り常に青々として強く、飽きのこない植物ですよね。癒されております。
〈アルコールとその周辺編〉
【£・Pound]と[$・Dollar】
最近、中洲のBarではあまり見られません。しかし、十数年前にホテルのBarにいた時分、外国人の方がそのお国の通貨でBarのチェックを支払おうとされたり、チップを置いて戴くことが多くありました。
様々な国のお札(チップは主にコインですが)を見ていると、それだけでなにかしらワクワクするような気分になってくるから不思議です。近頃は支払い方法の(海外での)の大多数にカードでの精算が主流となり、手間がかからずスムーズになったものの、少々味気なくなってしまったのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、イギリスやスコットランドの貨幣単位であった(である?)ポンド[£・磅]。スコッチウイスキーやバーガンディーをこよなく愛する方々には馴染みのある通貨でありました。現在多くの国の通貨は、そのモノグラム(頭文字)を使って表記することが多く、ご存知の通り日本の通貨[円]はYENのYを採って[¥]となっています。ならばどうしてポンドは[P]ではなく[L]に横線を一本入れた[£]なのでしょうか。
実はイギリスには、通貨がポンドになる以前、別の通貨があったのです。「Libra(ライブラ)」と呼ばれる通貨で、その頭文字Lが、ポンドの時代へと移行しても残ったという訳です。
ではもう一方のドル[$・弗]はどうでしょう?
Dollarであるのならば[D]である筈なのに[S]縦線。
米国、カナダ、オーストラリア等の貨幣単位であり、現在U.S.dollarは国際決済通貨及び国際準備通貨として世界で最も多く利用されています。しかし、それは今のお話で、超大国たるアメリカも200年余り前まではヨーロッパ各国の植民地でありました。そう、この[S]はスペイン(Spain)の[S]なのです。その名残がドルマークに残ったのだそうです。当然[ドル]という呼び方もスペインに由来かの神聖ローマ帝国が発行した通貨に「ダーレル銀貨」というものがあり、これをスペインでは「ドレラ」と呼んでいました。その通貨がアメリカへと渡った際に、「ダラー」つまり「ドル」と呼ばれるようになったらしいのです。
蛇足かもしれませんが…….
ポンドは重さ・容量の単位でもあります。
以下はヤード・ポンド法での質量の単位。封度。
A. 常用ポンド。1ポンドは16オンスで、約453.6グラム。
B. 薬用ポンドおよびトロイ・ポンド。金銀や薬剤をはかる単位として用いられ、1ポンドは12オンスで、約373.2グラム。
また、まさしく蛇足ですが、日本でいう「度量衡」、度は長さ、量は容積、衡は重さをあらわします。701年、「大宝律令」により初めて制度化されました。
様々な国のお札(チップは主にコインですが)を見ていると、それだけでなにかしらワクワクするような気分になってくるから不思議です。近頃は支払い方法の(海外での)の大多数にカードでの精算が主流となり、手間がかからずスムーズになったものの、少々味気なくなってしまったのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、イギリスやスコットランドの貨幣単位であった(である?)ポンド[£・磅]。スコッチウイスキーやバーガンディーをこよなく愛する方々には馴染みのある通貨でありました。現在多くの国の通貨は、そのモノグラム(頭文字)を使って表記することが多く、ご存知の通り日本の通貨[円]はYENのYを採って[¥]となっています。ならばどうしてポンドは[P]ではなく[L]に横線を一本入れた[£]なのでしょうか。
実はイギリスには、通貨がポンドになる以前、別の通貨があったのです。「Libra(ライブラ)」と呼ばれる通貨で、その頭文字Lが、ポンドの時代へと移行しても残ったという訳です。
ではもう一方のドル[$・弗]はどうでしょう?
Dollarであるのならば[D]である筈なのに[S]縦線。
米国、カナダ、オーストラリア等の貨幣単位であり、現在U.S.dollarは国際決済通貨及び国際準備通貨として世界で最も多く利用されています。しかし、それは今のお話で、超大国たるアメリカも200年余り前まではヨーロッパ各国の植民地でありました。そう、この[S]はスペイン(Spain)の[S]なのです。その名残がドルマークに残ったのだそうです。当然[ドル]という呼び方もスペインに由来かの神聖ローマ帝国が発行した通貨に「ダーレル銀貨」というものがあり、これをスペインでは「ドレラ」と呼んでいました。その通貨がアメリカへと渡った際に、「ダラー」つまり「ドル」と呼ばれるようになったらしいのです。
蛇足かもしれませんが…….
ポンドは重さ・容量の単位でもあります。
以下はヤード・ポンド法での質量の単位。封度。
A. 常用ポンド。1ポンドは16オンスで、約453.6グラム。
B. 薬用ポンドおよびトロイ・ポンド。金銀や薬剤をはかる単位として用いられ、1ポンドは12オンスで、約373.2グラム。
また、まさしく蛇足ですが、日本でいう「度量衡」、度は長さ、量は容積、衡は重さをあらわします。701年、「大宝律令」により初めて制度化されました。
〈皐月編〉
【鯉のぼり】
端午の節句の元気印、鯉のぼり。五月晴れの空に、風をいっぱいにならんで流ぐ姿は、とても日本的かつ清々しい光景ですよね。
しかし何故「鯉」なのか?出世魚なら他にもいろいろありますし、身近な魚も他に考えられます。そもそもなにゆえ「魚」なのでしょう。
調べてみますと、中国の故事に「鯉は竜門の滝をさかのぼって竜に化身する」とあり、出世を意味するところから、町人の間で取り上げられ、それが武家へと広まっていったようです。江戸時代のこと。またもともと日本でも、「鯉の水離れ」といって、水から出された鯉は長寿で、その時は勢いよく跳ねるものの、また板にのせると覚悟を決めて(?)ジタバタせず、潔い強い魚として武士階級に尊ばれたことも大きく関係しているようです。武家ではそれ以前より、男の子が生まれると戦の際に使う「吹流し」や「幟旗(のぼりばた)」を立てて祝いとしていました。戦ではそのデザインや家紋などによって敵や味方を判断する、それこそ実践的なものですが、それらを立てることにより跡継ぎである男子の誕生を世に知らしめる意味あいもありました。また、幟は、神を招くための俵代(よりしろ・他に樹木、岩石、人形etc)ともいわれています。
鯉のぼりと吹流しのコンビネーションは武家と町人両者の風習を取り入れて現在に至るようです。
ちなみに、旧暦の5月は梅雨のまっただ中。鯉のぼりに原色の派手な色や、華やかな模様が使われるのは、曇り空や雨の中でも美しく映えるように、という意図があったからなのでしょう。
しかし何故「鯉」なのか?出世魚なら他にもいろいろありますし、身近な魚も他に考えられます。そもそもなにゆえ「魚」なのでしょう。
調べてみますと、中国の故事に「鯉は竜門の滝をさかのぼって竜に化身する」とあり、出世を意味するところから、町人の間で取り上げられ、それが武家へと広まっていったようです。江戸時代のこと。またもともと日本でも、「鯉の水離れ」といって、水から出された鯉は長寿で、その時は勢いよく跳ねるものの、また板にのせると覚悟を決めて(?)ジタバタせず、潔い強い魚として武士階級に尊ばれたことも大きく関係しているようです。武家ではそれ以前より、男の子が生まれると戦の際に使う「吹流し」や「幟旗(のぼりばた)」を立てて祝いとしていました。戦ではそのデザインや家紋などによって敵や味方を判断する、それこそ実践的なものですが、それらを立てることにより跡継ぎである男子の誕生を世に知らしめる意味あいもありました。また、幟は、神を招くための俵代(よりしろ・他に樹木、岩石、人形etc)ともいわれています。
鯉のぼりと吹流しのコンビネーションは武家と町人両者の風習を取り入れて現在に至るようです。
ちなみに、旧暦の5月は梅雨のまっただ中。鯉のぼりに原色の派手な色や、華やかな模様が使われるのは、曇り空や雨の中でも美しく映えるように、という意図があったからなのでしょう。
参考文献
「広辞苑」
「日本語源大辞典」監修 前田富祺(小学館)
「ことばの由来」堀井令衣知著(岩波新書)
「この言葉の語源を言えますか?」日本語倶楽部〔編〕(河出書房新社)
「日本語源大辞典」監修 前田富祺(小学館)
「ことばの由来」堀井令衣知著(岩波新書)
「この言葉の語源を言えますか?」日本語倶楽部〔編〕(河出書房新社)